渡邊雄太についてサンズがNBAプレシーズンで学んだ3つのこととは?

Yuta Watanabe Phoenix Suns
(NBA Entertainment)

レギュラーシーズンにおける渡邊雄太の役割は何なのだろうか?

その疑問はまだ完全には解けていないが、プレシーズンを経てその答えが次第に明らかになりつつある。フェニックス・サンズの渡邊が、ベンチから1試合平均10.3得点をあげ、多くの出場機会を獲得するという堅実な活躍を見せたからだ。

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渡邊のプレシーズンでの仕事は、ケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビールへのプレッシャー軽減のために、しっかり守れることとオフェンスで十分に打てることを示すことだった。彼は出場した4試合でそれ以上のことをやってのけた。

ここでは、フランク・ボーゲル・ヘッドコーチが渡邊をどのように起用するつもりなのか、またプレシーズンの試合で渡邊がどのようにプレイしたのかをまとめる。

サンズがNBAプレシーズンで渡邊雄太について学んだ3つのこと

渡邊はベンチから出場する最初のウイング選手の1人に

ナシール・リトルとケイタ・ベイツ・ジョップは、ウイングとして渡邊と出場時間を争うことになる選手だ。3人とも似たような選手で、ディフェンス能力は高いが、ショットクリエーションに関しては限界がある。

プレシーズンにおける出場時間は3選手ともほぼ同じだったが、渡邊はベンチから出場する最初のウイングとして2人をリードしているように見えた。

選手 出場時間 3P % 得点
渡邊雄太 20.9 38.9% 10.3
ナシール・リトル 20.9 33.3% 6.0
ケイタ・ベイツ・ジョップ 19.6 33.3% 5.6

シーズンを通してのローテーションの順番は、誰が最も安定した3ポイントシューターになれるかで決まるだろう。プレシーズンでは、渡邊が圧勝したようだった。

渡邊はディフェンス面でも自分の役割を果たし、ボーゲルHCから称賛を浴びている。

ボーゲルHCは、「彼は自分の能力を最大限に発揮している」と『Clutch Points』とのトレバー・ブース記者に話している

「彼は細部まで気を配り、集中していて、常に正しい場所にいる。どの選手にも求められることだが、彼は非常に努力をする選手だ。身体が細いほうなのでオンボールではエリートディフェンダーにはなれないが、競争心があり、チームの誰よりもシステムやスキームをよく実行するんだ」

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渡邊はオフェンス面でキャッチ&シュート以上のことを実行

渡邊の主な仕事は、デュラント、ビール、ブッカーのためにスペースを作ることになるだろう。しかし、彼はチャンスを与えられればそれ以上のことができることを示した。ボールから離れたところで良いカッターとなり、相手ディフェンスの注意を引き付けていたのだ。

また、昨季ブルックリン・ネッツでプレイしたときよりもドリブルからできることの幅が格段に広がり、クローズアウトされたところをアタックして簡単に得点している。ボーゲルHCは彼のためのプレイの機会さえ与えていた。

渡邊はこの夏、FIBAバスケットボールワールドカップで日本代表としてプレイした経験から、より多くのショットクリエーションを自分のゲームに加えたようだ。 

「日本代表でプレイする際は、3ポイントシューター以上のことをしなければいけません」と、渡邊は記者団に話している

「もっとリムにアタックする機会がある。特に、KDやブック、ブラッドとプレイするときは、そこまでアグレッシブになる必要がないことはわかっています。それでも、それができる選択肢としてあることは自分の力になりました」

サンズのスター選手たちとのケミストリー構築

渡邊とデュラントの相性の良さはすでによく知られている。デュラントはプレシーズンの間、渡邊とプレイするのがどれほど好きだったかを強調した。

デュラントは「(渡邊は)とても賢いバスケットボール選手で、常に正しい場所にいるように感じるんだ」と、『Arizona Sports』のケラン・オルソン記者に語っている

「プレイの仕方がわかっていて、オフェンスでどこにいるべきかわかっている選手がいる。練習でも集中しているから自分のいるべき場所がわかっているんだ」

「雄太はそういう選手だよ」と、デュラントは付け加えた。

渡邊はまた、ブッカーともコート上ですぐに良い関係を築いている。

「彼はブックともケミストリーができている。ブックはボールを持つたびに、雄太がどこにいるかアンテナを立てているんだ」と、ボーゲルHCはオルソン記者に話している。

そのケミストリーは重要だ。というのも、ブッカーは今季、サンズでポイントガードをプレイすることが多くなっているからだ。ブッカーが相手ディフェンスの注意を引き付けることで、パスする先を探すまでもなく、渡邊に素晴らしい3Pショットのチャンスを作ることができている。

渡邊も「ケミストリーは日に日に良くなっている」と、プレシーズン中に記者団に認めていた

ボーゲルHCのプレシーズンにおける彼の起用方法を考えると、渡邊が先発出場することはないだろう。しかし、彼は与えられたすべてのテストに合格し、このチームに貢献できることを示した。レギュラーシーズンでもベンチからしっかり出場時間を獲得し、好プレイを続けるはずだ。

原文:Three things Suns learned about Yuta Watanabe from NBA preseason: Devin Booker chemistry, shot creation and more

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Stephen Noh is an NBA writer for The Sporting News.
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フリーランスライター。NBAオクラホマシティ・サンダーを中心に取材するかたわら、英語発音コーチも務める。
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