デイビッド・ベッカムは、真にサッカー界のアイコンだ。
マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリー、ロサンゼルス・ギャラクシーといったクラブで通算500試合以上に出場した彼は、サッカー界で勝ち取ることができるほぼすべてを勝ち取った。また、3度のFIFAワールドカップ出場を含め、イングランド代表でも通算115試合に出場している。
だが、カタールでのワールドカップにおける彼の役割は物議を醸した。
以下にその理由を詳述する。
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ベッカムはカタールW杯にどう関わっている?
2021年末、デイビッド・ベッカムはカタールのアンバサダー(親善大使)として1億5000万ポンド(約252億円/1ポンド=168円換算)と言われる10年契約を結んだ。
この契約にはカタールの文化や観光、そしてFIFAワールドカップのプロモーションが含まれている。
2022年8月、ベッカムはカタールの首都ドーハの名所や観光スポットを紹介する30分のプロモーションビデオに出演した。
ベッカムは2021年11月にも同国を訪れ、カタールの要人や大会関係者と会談している。
“There is a rich history here and a love of the game, and that will be very evident when the tournament starts. People will see a football culture that has been here for a long time. And once the tournament finishes, the legacy will be there for everyone to see.”:
— The Peninsula Qatar (@PeninsulaQatar) November 8, 2022
David Beckham pic.twitter.com/K3uqEpMo2W
カタールのアンバサダーに就任したベッカムが物議を醸した理由
カタールと同国で開催されるワールドカップを支持するデイビッド・ベッカムの役割が物議を醸したのは、同国の人権の歴史やLGBTQ+のファンの扱いを巡る懸念からだ。
同国の移民労働者に対する不当な扱いの疑惑は数々浮上している。
『The Guardian』は、大会開催に必要なスタジアムや道路、ホテルの建設のために6500人以上の移民労働者がカタールで死亡したと報じた。
移民労働者を代表して支持するカタールの活動家たちは逮捕された。ケニア人警備員で活動家のマルコム・ビダリは昨年、国外追放されている。彼は「国家の公共システムを危険にさらす目的で虚偽のニュースを放送・公開した」として逮捕されていた。
また、カタールにおけるLGBTQ+の人々の扱いに関する懸念もある。
カタールでは同性愛は違法とされており、同国は同性婚や同性の市民パートナーシップを認めていない。
カタールはThe Guardianが報じた移民労働者の死亡者数を否定している。また、LGBTQ+の人々を含むすべてのファンが大会観戦のために同国を訪れることを歓迎すると表明している。
1998年ワールドカップでのベッカム
ベッカムは現役時代、1998年ワールドカップで最も有名なワンシーンに関わっている。
イングランドがラウンド・オブ・16でアルゼンチンと対戦した際、ベッカムは後半早々にアルゼンチンのディエゴ・シメオネのかかとを蹴り、退場となったのだ。
On This Day in 1998: David Beckham is sent off for kicking Diego Simeone as England lost to Argentina at World Cup. pic.twitter.com/GjUUrwkbvG
— ESPN FC (@ESPNFC) June 30, 2016
イングランドはPK戦の末に敗れ、その敗因がベッカムであるとしてファンやメディアから激しい批判を浴びせられた。
ロンドンのパブにはベッカムをかたどった像が吊るされ、ベッカムが殺害の脅迫を受けることもあった。
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