FIFAワールドカップ得点王(ゴールデンブーツ)の称号は大きな栄誉だ。2022年カタールW杯では、フランス代表のキリアン・エムバペが、アルゼンチン代表との決勝戦でハットトリックを達成して大会通算得点を8とし、得点王に輝いた。1大会8得点は、歴代5位タイの数字となる。
決勝でフランスを下し、自身初優勝を飾ったメッシ(アルゼンチン)は決勝戦での2得点により大会通算得点を7としたが、得点王にはあと一歩届かなかった。
ここではワールドカップの歴史における各大会の得点王、1大会における最多得点ランキング、通算得点ランキングをまとめる。
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2022年カタールW杯の得点王は誰?
カタールで行われた2022年のワールドカップで栄えある得点王となり、ゴールデンブーツを獲得したのはフランス代表のFWキリアン・エムバペだ。エムバペは大会を通じて8得点をマークし、アルゼンチン代表のメッシ(7得点)を上回って得点王に輝いた。
準決勝までに5得点をあげていたエムバペとメッシは、決勝戦で激しい得点合戦を繰り広げる。前半にメッシがPKで先制ゴールをあげると、後半にはエムバペがPKと豪快なボレーシュートで2得点をあげて得点王争いに勝ち越し。延長戦の後半にはメッシが再びゴールを決めてエムバペに追いついたが、その後、エムバペはPKを決めてハットトリックを達成。大会通算8得点として王座を射止めた。
1大会8得点は歴代5位タイ。2002年のロナウド(ブラジル)以来の高水準となった。また、ワールドカップ通算12得点は、歴代6位タイ。今大会で7得点をあげたメッシの通算13得点は歴代4位タイとなっている。
ワールドカップ歴代得点王
ワールドカップのゴールデンブーツを巡る争いは、過去の大会でも常に大きな注目を集めてきた。興味深いことに、これまでの男子大会で2回以上得点王に輝いた選手はひとりもいない。
カタール大会では、キリアン・エムバペが2002年のロナウド(8得点)以来5大会ぶりの高水準で得点王に輝いた。
大会 | 得点王 | 国籍 | 得点数 |
1930年ウルグアイ | ギジェルモ・スタービレ | アルゼンチン | 8 |
1934年イタリア | オルドリッヒ・ネイエドリー | チェコスロバキア | 5 |
1938年フランス | レオニダス | ブラジル | 7 |
1950年ブラジル | アデミール | ブラジル | 8 |
1954年スイス | シャーンドル・コチシュ | ハンガリー | 11 |
1958年スウェーデン | ジュスト・フォンテーヌ | フランス | 13 |
1962年チリ | ガリンシャ ババ レオネル・サンチェス フロリアン・アルベルト ドラジャン・イェルコビッチ ワレンチン・イワノフ |
ブラジル ブラジル チリ ハンガリー ユーゴスラビア ソ連 |
4 |
1966年イングランド | エウゼビオ | ポルトガル | 9 |
1970年メキシコ | ゲルト・ミュラー | 西ドイツ | 10 |
1974年西ドイツ | グジェゴシ・ラトー | ポーランド | 7 |
1978年アルゼンチン | マリオ・ケンペス | アルゼンチン | 6 |
1982年スペイン | パオロ・ロッシ | イタリア | 6 |
1986年メキシコ | ガリー・リネカー | イングランド | 6 |
1990年イタリア | サルバトーレ・スキラッチ | イタリア | 6 |
1994年アメリカ | オレグ・サレンコ フリスト・ストイチコフ |
ロシア ブルガリア |
6 |
1998年フランス | ダボル・シュケル | クロアチア | 6 |
2002年日本/韓国 | ロナウド | ブラジル | 8 |
2006年ドイツ | ミロスラフ・クローゼ | ドイツ | 5 |
2010年南アフリカ | トーマス・ミュラー | ドイツ | 5 |
2014年ブラジル | ハメス・ロドリゲス | コロンビア | 6 |
2018年ロシア | ハリー・ケイン | イングランド | 6 |
2022年カタール | キリアン・エムバペ | フランス | 8 |
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ワールドカップ1大会での最多得点記録ランキング
1970年以降、1選手がワールドカップ1大会で10ゴールを挙げることは至難の業となっており、21世紀以降からは平均6.3ゴールで得点王が生まれている。
順位 | 選手名 | 国籍 | 大会 | 1大会での得点数 | ワールドカップ通算得点数 |
1 | ジュスト・フォンテーヌ | フランス | 1958年スウェーデン | 13 | 13 |
2 | シャーンドル・コチシュ | ハンガリー | 1954年スイス | 11 | 11 |
3 | ゲルト・ミュラー | 西ドイツ | 1970年メキシコ | 10 | 14 |
4 | エウゼビオ | ポルトガル | 1966年イングランド | 9 | 9 |
5 | ギジェルモ・スタービレ | アルゼンチン | 1930年ウルグアイ | 8 | 8 |
5 | アデミール | ブラジル | 1950年ブラジル | 8 | 8 |
5 | ロナウド | ブラジル | 2002年日本/韓国 | 8 | 15 |
5 | キリアン・エムバペ | フランス | 2022年カタール | 8 | 12 |
9 | レオニダス | ブラジル | 1938年フランス | 7 | 8 |
9 | グジェゴシ・ラトー | ポーランド | 1974年西ドイツ | 7 | 10 |
9 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | 2022年カタール | 7 | 13 |
ワールドカップ通算得点ランキング
通算得点記録で上位に名を連ねているのは、ヨーロッパか南アメリカの選手のみ。その他の大陸の選手はトップ10に入っていない。
順位 | 選手名 | 国籍 | 通算得点 | 出場試合数 | 出場大会 | 1試合平均得点 |
1 | ミロスラフ・クローゼ | ドイツ | 16 | 24 | 2002、2006、2010、2014 | 0.67 |
2 | ロナウド | ブラジル | 15 | 19 | 1994*、1998、2002、2006 | 0.79 |
3 | ゲルト・ミュラー | 西ドイツ | 14 | 13 | 1970、1974 | 1.08 |
4 | ジュスト・フォンテーヌ | フランス | 13 | 6 | 1958 | 2.17 |
4 | リオネル・メッシ | アルゼンチン | 13 | 26 | 2006、2010、2014、2018、2022 | 0.5 |
6 | ペレ | ブラジル | 12 | 14 | 1958、1962、1966、1970 | 0.86 |
6 | キリアン・エムバペ | フランス | 12 | 14 | 2018、2022 | 0.86 |
8 | シャーンドル・コチシュ | ハンガリー | 11 | 5 | 1954 | 2.20 |
8 | ユルゲン・クリンスマン | 西ドイツ/ドイツ | 11 | 17 | 1990、1994、1998 | 0.65 |
10 | ヘルムート・ラーン | 西ドイツ | 10 | 10 | 1954、1958 | 1.00 |
10 | ガリー・リネカー | イングランド | 10 | 12 | 1986、1990 | 0.83 |
10 | ガブリエル・バティストゥータ | アルゼンチン | 10 | 12 | 1994、1998、2002 | 0.83 |
10 | テオフィロ・クビジャス | ペルー | 10 | 13 | 1970、1978、1982** | 0.77 |
10 | トーマス・ミュラー | ドイツ | 10 | 16 | 2010、2014、2018** | 0.63 |
10 | グジェゴシ・ラトー | ポーランド | 10 | 20 | 1974、1978、1982 | 0.50 |
* メンバー登録のみで出場なし
** 出場するも得点なし
ワールドカップの1試合最多得点記録
1994年アメリカ大会では通算6ゴールで得点王が生まれ、オレグ・サレンコ(ロシア)とフリスト・ストイチコフ(ブルガリア)がタイトルを分け合った。
しかし、この大会ではワールドカップの1試合最多得点記録も生まれている。
その記録を打ち立てたのがロシアのサレンコだ。カメルーンに6-1と圧勝したグループB最終戦で5ゴールを奪った。だがその活躍も報われず、この大会のロシアは決勝トーナメント進出を逃している。
※本記事はスポーティングニュース米国版の記事を元に日本版編集部が日本向けに翻訳・編集したものとなります。
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