メイウェザーに2023年マクレガーとの再戦報道も、朝倉戦前日会見でパッキャオとも火花

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Pacquiao - Mayweather - McGregor
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朝倉未来とのエキシビション戦を9月25日に控えるフロイド・メイウェザー(米国)と、2017年に対戦したコナー・マクレガー(アイルランド)との間で再戦交渉が進んでいることが欧米メディアによって一斉に報じられた。

さらに24日の記者会見ではゲストとして登場した、かつての宿敵マニー・パッキャオと再会し舌戦を繰り広げるなど、ここにきて複数の再戦プランが熱を帯びてきた。

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朝倉戦後、英国人YouTuberと対戦

昨今の格闘技界において、最も野心的な異種競技間メガファイトの「続編」が実現する可能性がでてきた。すべてが計画通りに進めば、ボクシングレジェンドのフロイド・メイウェザーとMMA界のスーパースターであるコナー・マクレガーが、2023年に再激突する。 

45歳のメイウェザーは、9月25日の朝倉未来とのエキシビションマッチを前にして『Sportsmail』に次のように語った。ボクシングの殿堂入りの名手は、今後数か月で3試合戦うことを目指す。そのなかでマクレガーを潜在的な対戦相手として見込んでいる。 

「今週末は試合に出て(朝倉未来戦を)楽しみたい。それから11 月にドバイで別のエキシビション戦を開催し、2023 年には私とコナー・マクレガーで試合をやりたいんだ」とメイウェザーは述べつつ、対戦ルールについては答えがでていないことを明かした。

「それがエキシビションになるのか、公式戦になるのかはまだ決まっていない。ただ、両方の話があったのは確かだよ。個人的にはエキシビションの方がいいけどね」

11月13日のドバイでの相手は、英国人YouTuberのデジで、ローガン&ジェイク・ポール兄弟(米国)らと同時期に企画でボクシングを始めた、いわゆるYouTuberボクサーのひとりだ。兄のKSIもYouTuberボクサーで、ローガン・ポールとの再戦を含めプロ公式戦に3戦3勝しており、弟よりも兄がメイウェザーと戦うべきではないかという声もあるが、いずれにしてもマクレガー戦前の調整試合に過ぎないだろう。

マクレガーとの再戦はエキシビションルールを希望

メイウェザーは2年の引退生活を経て、2017年8月、マクレガーと対戦するために現役復帰した。当時、UFC世界ライト級およびフェザー級のチャンピオンだったマクレガーは、格闘技界で最もホットなスターだった。ボクサーである以上に優れたビジネスマンであるメイウェザーは、両者の戦いに可能性を見出した。

メイウェザーが10回TKO勝ちでマクレガーを撃破したが、このメガマッチは、500万件を超えるPPV購入をもたらしたと伝えられている。 メイウェザーは3億ドル(約430億1075万円、1ドル/約143円換算、以下同)、マクレガーは1億ドル(約143億37000万円)を稼いだといわれる。

以来、メイウェザーは数百万ドル相当のエキシビションマッチに出場してきた。キックボクサーの那須川天心、YouTuberボクサーのローガン・ポール、元プロボクサーのドン・ムーアと戦った。最新の戦いは、9月25日のMMAファイター・朝倉未来との試合だ。

メイウェザーは『Sportsmail』に、現役を離れた以上、強打にさらされる必然性がないので、今はエキシビションファイトが気に入っていると語っている。これは後年になってもマクレガーと直面する際にも利点があるという考え方だ。

「コナー・マクレガーのような選手や、YouTuberやUFCの選手など、あまり打撃の強くない(特化していない)選手と戦うなかでは気を留めることもないんだが、自分自身を傷つけたり、けがをさせたりするようなことはしないよ」と説明している。

マクレガーはMMA復帰優先?

一方、メイウェザーと戦って以来、マクレガーはオクタゴンで1勝3敗と低迷している。ダスティン・ポワリエ(米国)に2連敗を喫したが、2021年7月のポワリエとの最後の試合で、マクレガーは左の脛骨を骨折。現在は手術を受け、UFC復帰が待たれている状況だ。 

UFC代表のデイナ・ホワイトは、2023年初頭までにマクレガーをオクタゴンに戻すことを検討している。それだけにメイウェザーとマクレガーの再戦の可能性については懐疑的で、昨夏、両者がSNS上で繰り広げたバトルは、単なる言葉だけのやりとりだとして一蹴。メイウェザー vs. マクレガーを「もう一度見る気はゼロ以下だ」と『TMZ Sports』に語っているほどだ。

そうはいっても、マクレガーのMMA戦の次戦相手が誰になるかは不明だ。初期のライバル、ネイト・ディアス(米国)はトニー・ファーガソン戦後にUFCを離脱し、最新のライバルであるポワリエは「UFC 281」でマイケル・チャンドラーと対戦する予定で、マクレガーの復帰戦に相応しい相手がみつかっていない。

かつての宿敵パッキャオとの再戦も浮上

メイウェザー自身はマクレガーとの再戦に前向きだが、マクレガーがUFCとの契約で動きがとれなくなる可能性は否めない。ホワイト代表は少なくとも協力的ではないことは明らかだ。YouTuberボクサーのジェイク・ポールに元UFCのベン・アスクレンやタイロン・ウッドリーが返り討ちにあったこともあって、UFC契約下にある選手のボクシングマッチ出場に関しては難色を示すようになっている。

そうしたなか、メイウェザーは9月24日、朝倉戦前日の記者会見の席で、かつての宿敵と思わぬ再会を果たした。

朝倉からグローブのサイズやルール要求が細かすぎるというクレームがでているという質問について、メイウェザーは、「ぶっちゃけルールも知らない」とうそぶき、「『メイウェザー』と『びびっている』という言葉を並べて使うな。26年間、自分の強さを証明してきた」と豪語し、たゆまぬ厳しい練習の裏付けがあると強調。改めてそれを証明するために、3分3ラウンドではなく無制限でやってもいいと言い放った。

朝倉戦に向け揺るぎない自信を伺わせていたが、サプライズでマニー・パッキャオ(フィリピン)が登場すると、握手は交わしたものの、あからさまにイラ立ちをみせた。

先月、フィリピンの自身のもとに教えを請いに来た朝倉を応援するために来日したというパッキャオに対し、訝しむメイウェザーは、「朝倉がマニーに教えを請うのはいいことだ。だが、それでも私には誰も勝てない。ここにいる全員が相手でもね。マニーは最高の選手だけど、マニーの言葉を信じたらボコボコになるだけさ」と吐き捨てた。

パッキャオは「私は世界で唯一、8階級を制覇した王者です。メイウェザーにはそれを忘れないで欲しいですね」と一笑に付している。メイウェザーの退席後、パッキャオは単独の会見に応じたが、再戦の可能性や交渉があるかについては多くを語らなかった。しかし、ボクシングの練習を再開していることは明言し、「どれだけできるか確かめている」と話し、ボクシングシーンに戻る意思があることを示唆していた。

もっとも、すべてはメイウェザーのお膳立てという見立てもある。1週間の間にマクレガー、パッキャオというライバルとの話題が飛び出した。パッキャオについては、2018年に日本のイベントで両者が遭遇した際、メイウェザーが日本で再戦を開催するプランを示したことがあった。24日の会見では身体が動く限り、エキシビションマッチで世界中を楽しませたいと殊勝なことを口にしていたが、それ以上にビッグマネーを稼ぎ出すことは間違いなさそうだ。

スポーティングニュースは、今後もメイウェザーに関する最新情報を提供していく予定だ。

フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来はいつ?

  • 日時:2022年9月25日(日)
  • 開始時間:13:00頃予定
  • 開催地:さいたまスーパーアリーナ

メイウェザー vs. 朝倉のボクシングエキシビションマッチは、9月25日日曜、さいたまスーパーアリーナのイベントの第1部『超(スーパー)RIZIN』のメインイベントとして、13時頃スタートを予定している。 Bellatorを主戦場にする堀口恭司は、15時開始予定の第2部『RIZIN.38』に登場する。

フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来の視聴方法は?

世界50か国で配信を予定する『超RIZIN』&『RIZIN.38』だが、日本国内向けには、インターネット動画配信サービス『ABEMA PPV』、RIZIN公式サービス『RIZIN STREAM PASS』、唯一の(BS/CS)テレビ放送となる『スカパー!』、のほか、『Exciting RIZIN』、『RIZIN LIVE』、『U-NEXT』、『VR-MODE』といった各プラットフォームでPPVライブ中継される。

将来的にRIZIN公式YouTubeチャンネル等で試合映像が配信される可能性はゼロではないが、インターネットおよび地上波テレビ、BS、CSテレビ放送は予定されておらず、ライブでの無料視聴はできない

フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来のPPV視聴価格は?

  • 前売:6000円/税込(最安値ABEMA=4800円)
  • 当日:6600円/税込(最安値ABEMA=5280円)
  • アーカイブ:3000円/税込(最安値ABEMA/RIZIN STREAM PASS=2400円)

メイウェザー vs. 朝倉未来戦を含む『超RIZIN』&『RIZIN.38』のPPV視聴価格は、上記がおおよその値段となるが、各プラットフォームによって価格が変動し、これより安いケースもある。『ABEMA』ではプレミアム会員(月額税込960円)なら、税込4800円相当の4000コイン(ただしiOS/Androidアプリでの購入はPPV手数料として960円相当の800コインが加算される)、『RIZIN STREAM PASS』では会員(月額税込550円)なら税込5400円、『スカパー!』なら税込6000円となっている。

『スカパー!』はライブ配信終了後のアーカイブ(見逃し)配信価格が設定されていない。

フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来の大会対戦カード

9.25 『超RIZIN』&『RIZIN.38』予定対戦カード

『超RIZIN』

  • ボクシング・エキシビションマッチ・フリーウェイト(13:00~14:00予定)
    • 朝倉未来 vs. フロイド・メイウェザー
  • キックボクシングルール3分3R(肘有り)・53kg契約
    • 吉成名高 vs. バンダサック・ソー・トラクンペット
  • MMA特別ルール3分3R・53kg契約
    • 三浦孝太 vs. ブンチュアイ・ポーンスーンヌーン
  • スタンディングバウトルール3分3R・フリーウェイト
    • 皇治 vs. ジジ

『RIZIN.38』

  • RIZIN MMAルール5分3R・61kg契約
    • 堀口恭司 vs. 金太郎
  • RIZIN MMAルール5分3R・61kg契約
    • 扇久保博正 vs. キム・スーチョル
  • RIZIN WORLD GP2022 スーパーアトム級トーナメント2回戦/RIZIN MMAルール5分3R・49kg契約
    • 伊澤星花 vs. アナスタシア・スヴェッキスカ
  • RIZIN WORLD GP2022 スーパーアトム級トーナメント2回戦/RIZIN MMAルール5分3R・49kg契約
    • 浜崎朱加 vs. パク・シウ
  • RIZIN MMAルール5分3R・66kg契約
    • 萩原京平 vs. 鈴木千裕
  • RIZIN MMAルール5分3R・71kg契約
    • 大原樹理 vs. ルイス・グスタボ
  • RIZIN MMAルール5分3R・120kg契約
    • シビサイ頌真 vs. カルリ・ギブレイン

※当記事は、本誌英語記事(著者Daniel Yanofsky)から抜粋し翻訳、再編集のうえ、大幅に追加情報を加えた日本版記事となる。

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。
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