FIFAワールドカップ(サッカーW杯)の決勝戦では数々のドラマが展開されてきた。2022年のカタールW杯ではアルゼンチン代表がフランス代表との延長戦、そして史上3度目となるPK戦に及ぶ激闘を制して36年ぶり3度目の優勝を果たした。リオネル・メッシは自身5度目のワールドカップ出場で初めて頂点に立ち、キリアン・エムバペは実現していれば60年ぶりとなるはずだった2連覇を逃した。
ここではそんなサッカー界の頂上決戦の歴史とデータ(対戦カード、最終結果/スコア、会場/開催地、延長戦・PK戦の歴史、観客数)をまとめる。
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FIFAワールドカップ決勝戦 対戦カード・最終スコア・会場(開催都市)
開催年 | 優勝 | 準優勝 | 最終スコア | 会場(都市) |
1930 | ウルグアイ | アルゼンチン | 4-2 | センテナリオ競技場(モンテビデオ/ウルグアイ) |
1934 | イタリア | チェコスロバキア | 2-1(延長) | スタディオ・ナツィオナーレ(ローマ/イタリア) |
1938 | イタリア | ハンガリー | 4-2 | スタッド・オランピック・ドゥ・コロンブ(パリ/フランス) |
1950 | ウルグアイ | ブラジル | 2-1 | マラカナン・スタジアム(リオデジャネイロ/ブラジル) |
1954 | 西ドイツ | ハンガリー | 3-2 | バンクドルフ・スタジアム(ベルン/スイス) |
1958 | ブラジル | スウェーデン | 5-2 | ロースンダ・スタディオン(ソルナ/スウェーデン) |
1962 | ブラジル | チェコスロバキア | 3-1 | エスタディオ・ナシオナル(サンティアゴ/チリ) |
1966 | イングランド | 西ドイツ | 4-2(延長) | ウェンブリー・スタジアム(ロンドン/英国) |
1970 | ブラジル | イタリア | 4-1 | エスタディオ・アステカ(メキシコシティ/メキシコ) |
1974 | 西ドイツ | オランダ | 2-1 | オリンピアシュタディオン(ミュンヘン/ドイツ) |
1978 | アルゼンチン | オランダ | 3-1(延長) | エスタディオ・モヌメンタル(ブエノスアイレス/アルゼンチン) |
1982 | イタリア | 西ドイツ | 3-1 | エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード/スペイン) |
1986 | アルゼンチン | 西ドイツ | 3-2 | エスタディオ・アステカ(メキシコシティ/メキシコ) |
1990 | 西ドイツ | アルゼンチン | 1-0 | スタディオ・オリンピコ(ローマ/イタリア) |
1994 | ブラジル | イタリア | 0-0(延長/PK 3-2) | ローズ・ボウル(パサデナ/米国) |
1998 | フランス | ブラジル | 3-0 | スタッド・ド・フランス(サン=ドニ/フランス) |
2002 | ブラジル | ドイツ | 2-0 | 横浜国際総合競技場(日産スタジアム/横浜/日本) |
2006 | イタリア | フランス | 1-1(延長/PK 5-3) | オリンピアシュタディオン(ベルリン/ドイツ) |
2010 | スペイン | オランダ | 1-0(延長) | サッカー・シティースタジアム(ヨハネスブルグ/南アフリカ) |
2014 | ドイツ | アルゼンチン | 1-0(延長) | マラカナン・スタジアム(リオデジャネイロ/ブラジル) |
2018 | フランス | クロアチア | 4-2 | ルジニキ・スタジアム(モスクワ/ロシア) |
2022 | アルゼンチン | フランス | 3-3(延長/PK 4-2) | ルサイル・スタジアム(ルサイル/カタール) |
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延長戦にもつれ込んだワールドカップ決勝戦
世界の頂点を決める試合はときに両チームの実力が真に拮抗し、前後半の90分で勝負が決まらないこともある。過去22回の決勝戦のうち、なんと8回も延長戦にもつれ込んでいるのは、いかにこの舞台が緊張感にあふれているかの現れだろう。
しかも直近の5回のうち4度も延長戦にもつれているのだ。中立地のファンにとっては最高の興奮を味わえるが、当該国のファンにとっては生きた心地がしないかもしれない。
- イタリア 2-1 チェコスロバキア(1934年)
- イングランド 4-2 西ドイツ(1966年)
- アルゼンチン 3-1 オランダ(1978年)
- ブラジル 0-0 イタリア(1994年、PK戦でブラジル勝利)
- イタリア 1-1 フランス(2006年、PK戦でイタリア勝利)
- スペイン 1-0 オランダ(2010年)
- ドイツ 1-0 アルゼンチン(2014年)
- アルゼンチン 3-3 フランス(2022年、PK戦でアルゼンチン勝利)
PK戦にもつれ込んだワールドカップ決勝戦
前後半90分に加えて延長戦の前後半30分の合計120分をもってしても決着しない場合、勝負はペネルティキック戦(PK戦)に委ねられる。
2022年の決勝戦がPK戦にもつれこむまでは、PK戦は1994年と2006年のわずか2回しか行われていなかった。
最も有名なのは、1994年のブラジル対イタリア戦だろう。米国のローズ・ボウルで行われたこの試合は、延長戦を終えて0-0の同点となり、ワールドカップ史上初のPK戦へ。ここでイタリアの最後のキッカー、ロベルト・バッジョがシュートを失敗し、ブラジルの優勝が決まった。W杯史に残る残酷なシーンだ。
😄 Brazil's joy
— FIFA World Cup (@FIFAWorldCup) November 12, 2022
💔 Baggio's heartbreak
The penalty that decided the 1994 #FIFAWorldCup final 🇧🇷🇮🇹
だが、そのイタリアは2006年にPK戦でフランスに勝利して優勝。過去の悪夢を消し去ることに成功した。
😏 Grosso scoring a winning penalty in a major final, you say?
— FIFA World Cup (@FIFAWorldCup) August 6, 2021
🤝 Welcome to the club, @GrossoJulia! pic.twitter.com/m940B02ddZ
2022年のカタールでは、後半35分になるまでアルゼンチンが2-0でリードしながら、フランスのエムバペが連続得点をあげて同点に。延長戦でも両者が1点ずつとって3-3の同点のまま試合終了。勝負は決勝史上3度目のPK戦へと突入した。最初のキッカーを務めたメッシとエムバペはともに成功したが、その後フランスが2人が失敗し、アルゼンチンの優勝となった。
- ブラジル 0-0 イタリア(1994年、PK戦:ブラジル 3-2)
- イタリア 1-1 フランス(2006年、PK戦:イタリア 5-3)
- アルゼンチン 3-3 フランス(2022年、PK戦:アルゼンチン 4-2)
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ワールドカップ決勝戦の観客数
ワールドカップ決勝戦の観戦チケットは誰もが手に入れたいと望むもののひとつだろう。だが、スタジアムに入場できる人数には上限がある。
2022年カタール大会の決勝戦が行われたルサイル・スタジアムには、8万8966人のファンが集まった。1994年米国大会決勝戦の9万4194人以来最大の集客となった。
開催年 | 観客数 | 優勝 | 準優勝 | 最終スコア | 会場(都市) |
1930 | 68,346 | ウルグアイ | アルゼンチン | 4-2 | センテナリオ競技場(モンテビデオ/ウルグアイ) |
1934 | 55,000 | イタリア | チェコスロバキア | 2-1(延長) | スタディオ・ナツィオナーレ(ローマ/イタリア) |
1938 | 45,000 | イタリア | ハンガリー | 4-2 | スタッド・オランピック・ドゥ・コロンブ(パリ/フランス) |
1950 | 173,850* | ウルグアイ | ブラジル | 2-1 | マラカナン・スタジアム(リオデジャネイロ/ブラジル) |
1954 | 62,500 | 西ドイツ | ハンガリー | 3-2 | バンクドルフ・スタジアム(ベルン/スイス) |
1958 | 51,800 | ブラジル | スウェーデン | 5-2 | ロースンダ・スタディオン(ソルナ/スウェーデン) |
1962 | 69,000 | ブラジル | チェコスロバキア | 3-1 | エスタディオ・ナシオナル(サンティアゴ/チリ) |
1966 | 96,924 | イングランド | 西ドイツ | 4-2(延長) | ウェンブリー・スタジアム(ロンドン/英国) |
1970 | 107,412 | ブラジル | イタリア | 4-1 | エスタディオ・アステカ(メキシコシティ/メキシコ) |
1974 | 75,200 | 西ドイツ | オランダ | 2-1 | オリンピアシュタディオン(ミュンヘン/ドイツ) |
1978 | 71,483 | アルゼンチン | オランダ | 3-1(延長) | エスタディオ・モヌメンタル(ブエノスアイレス/アルゼンチン) |
1982 | 90,000 | イタリア | 西ドイツ | 3-1 | エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ(マドリード/スペイン) |
1986 | 114,600 | アルゼンチン | 西ドイツ | 3-2 | エスタディオ・アステカ(メキシコシティ/メキシコ) |
1990 | 73,603 | 西ドイツ | アルゼンチン | 1-0 | スタディオ・オリンピコ(ローマ/イタリア) |
1994 | 94,194 | ブラジル | イタリア | 0-0(延長/PK 3-2) | ローズ・ボウル(パサデナ/米国) |
1998 | 75,000 | フランス | ブラジル | 3-0 | スタッド・ド・フランス(サン=ドニ/フランス) |
2002 | 69,029 | ブラジル | ドイツ | 2-0 | 横浜国際総合競技場(日サインスタジアム/横浜/日本) |
2006 | 69,000 | イタリア | フランス | 1-1(延長/PK 5-3) | オリンピアシュタディオン(ベルリン/ドイツ) |
2010 | 84,490 | スペイン | オランダ | 1-0(延長) | サッカー・シティースタジアム(ヨハネスブルグ/南アフリカ) |
2014 | 74,738 | ドイツ | アルゼンチン | 1-0(延長) | マラカナン・スタジアム(リオデジャネイロ/ブラジル) |
2018 | 78,011 | フランス | クロアチア | 4-2 | ルジニキ・スタジアム(モスクワ/ロシア) |
2022 | 88,966 | アルゼンチン | フランス | 3-3(延長/PK 4-2) | ルサイル・スタジアム(ルサイル/カタール) |
※1950年のワールドカップは決勝戦は実施されず、総当たり戦の結果としてウルグアイが優勝チームとなった。ウルグアイとブラジルとの最終試合は、会場であるマラカナン・スタジアムに17万人を超える集客があったとされる。ただし、正式な『決勝戦』の記録としては、1986年にメキシコのエスタディオ・アステカで行われたアルゼンチン対西ドイツ戦の11万4600人が最多とされている。
※本記事はスポーティングニュース米国版の記事を元に日本版編集部が日本向けに翻訳・編集したものとなります。
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